しつこいですが、ご覧になる場合はお覚悟の上で。二人の男性(向かって右が田亀先生)の間にある2枚のうち、下の作品です。
イラストはペン、鉛筆、インク、CG(3D含む)によるものがありました。自分はどの作家作品でも、見るからにCGな塗りや3Dがいまいち好みではないため、ペンと鉛筆作品に多く目が行きました。3Dって田亀先生の“線の色気”がなくてちょっとつまんない…って、生意気でゴメンナサイゴメンナサイ…。でも、「夢魔」(タイトルうろ覚え)は気に入ったかも。
この写真の右端の絵です。夢魔が首にかぶりついてる絵ですがちょっと色っぽい。左隣の「人間便器」がやたら派手なので、あまり目立ってなかった気がしますが。
でも先生、ホントこういう男性好きなんですね〓。作風は非道ながらも愛は伝わります。自分は、若い頃の藤竜也さんや、ドン・フライを思い出すのですが、前者はともかく後者は先生ご存知かしら?
ところで自分は展示されているイラスト以上に、漫画原稿に衝撃を受けまして、何がというと、その修正の少なさ!!…性器のじゃなくて(^^;)主線やベタはみ出し等のホワイトです。ざっと見ても50ページ近くある原稿(作品は10ページ前後ごとにバラバラですが)、そのどれにも、ホワイトが入ってなかったんです。これは、私の隣でファイルを見ていた女性も驚いてました。私みたいなヘタクソは、顔の輪郭線を全部ホワイトで消して描き直すし、たった8ページ程度の原稿でも、ホワイトの入ってないページはなかったりします。なので田亀先生の生原稿は驚異です。
漫画家もベテランになると慣れて、修正が少なくなるものかもしれませんし、修正が少ない原稿を持ってこられたのかもしれませんが、それにしたって見事すぎる…。デッサン力もさることながら、ペンタッチに迷いが全然ない。最近は先生も、線画アナログ+加工デジタルという事が多いらしく、「外道の家」や「君よ知るや南の獄」の原稿は線画のみでしたが、ダイレクトに線が出る分凄さが際立っておりました。ベテランの生原稿っていい刺激になります。数百分の一でもいい、その画力が欲しい…(溜息)。
前述した通り、私は拷問などの身体的苦痛、精神的苦痛を感じる描写がとても苦手なので、展示作品の中にも個人的に厳しいものがあるにはありました。ただ、厳しいながら唸るところの方が多かったので、しっかり見ましたけどね。私はどうも(ものによりますが)ゲイ作家の描く肉体表現に強く惹かれているようなので、今回の個展でも、筋肉とか各パーツの表現を堪能しに行った感じです。性交は、“あれば見るけど”程度だなあ…。高校時代にやおいに狂ってた人間のセリフとは思えませんが(苦笑)。
この日はトークショーがあったのですが、夕方からの予定(もちろんお茶の水でメタル漁り)の為に残念ながら私は退場致しました。田亀先生はファンの方が会場で購入された書籍にサインをしてらしたのですが、私が「失礼します〓」と言いながら退室するとき、大変まろやかな笑顔で会釈して下さいまして……いや〓、あの笑顔のどこに、あんな鬼畜なSM魂が隠されているのでしょうか。
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